国際運輸労連(ITF:International Transport Workers’ Federation)は、世界150カ国以上の労働組合が加盟する国際産業別労働組合組織であり、航空を含む運輸分野において労働者の権利と安全向上に取り組んでいます。
このたびITFは、ジェットスター・ジャパンに関する一連の裁判および労働委員会判断について、公式記事として発表しました。
以下は、ジェットスター・クルー・アソシエーション(JCA)による日本語訳です。
原文は下記リンクよりご覧いただけます。
▶ 原文(ITF公式記事)
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【日本の客室乗務員が航空安全の核心原則を強化する重要な法的勝利】
日本の客室乗務員は、航空安全の核心原則を強化する重要な法的勝利を収めた。すなわち、疲労対策と休息は商業的圧力のために犠牲にされてはならず、また労働組合の権利も安全にとって根本的なものであるという原則である。
ITF民間航空部門議長サラ・ネルソン氏は次のように述べた。
「今回の判決は、ターンアラウンド時間や機材稼働率に対する商業的圧力が、乗客や乗員の安全を犠牲にしてはならないという明確なメッセージを送っています。疲労は航空業界におけるアスベストです。客室乗務員は何よりもまず安全の専門職であり、私たちの休息の権利は乗客の安全を守るために不可欠です。」
ジェットスター・ジャパンに関する一連の判決において、裁判所および労働当局は、客室乗務員の真正な休息の権利、安全な労働条件、そして反組合的報復からの自由を支持した。
ネルソン氏はさらに述べた。
「ここで明らかになったジェットスター・ジャパンの客室乗務員の扱いは、安全上の問題です。客室乗務員は航空業界のファーストレスポンダーです。私たちは、緊急脱出や機内での医療緊急事態への対応を彼らに頼っています。疲労した乗務員は、それを同じように効果的に行うことができません。実質的な休憩なしに過度な長時間労働を強いることは、すべての人を危険にさらします。」
本件は、ジェットスター・ジャパンの客室乗務員を代表するジェットスター・クルー・アソシエーション(JCA)によって提起され、ITF加盟組織である航空連の支援を受けた。審理の過程では、客室乗務員が適切な食事休憩や休息なしに、4つの国内線レグにわたる10時間を超える勤務を日常的に強いられていたことが明らかになった。
東京地方裁判所は、ジェットスター・ジャパンが日本の労働基準法に違反し、労働者の安全と権利を守る義務を果たさなかったと判断し、違法な慣行を停止するための差止めを命じた。
裁判所は次のように判示した。
「機長の指揮および統制の下にある『休憩』は、真の休息ではない。」ジェットスターは、短時間の地上ターンアラウンドが休息に当たると主張した。裁判所はこれを退け、客室乗務員はその間も安全確認、客室清掃、旅客対応に従事しており、完全に業務から解放されていないと指摘した。
別の判断では、ジェットスター・ジャパンが新たな賃金契約を違法に課し、正当な組合活動に対して組合幹部を違法に懲戒したことも認定された。
ネルソン氏は次のように述べた。
「だからこそ、疲労防止は航空におけるジャスト・カルチャーに根ざしたものでなければなりません。懲罰的なマネジメント体制は労働者を沈黙させ、報告を妨げ、安全を損ないます。組合は航空業界を安全に保ち、機能させるうえで根本的な役割を果たしています。組合は、この産業を支える労働者の安全と福祉を商業的圧力が損なわないようにします。日本の裁判所はそのことを認識しました。」
この判決は、ITFが2025年に発表した客室乗務員の疲労に関する報告書の調査結果とも呼応している。同報告書は、人員不足、過度なターンアラウンド圧力、そして休息保護の弱い執行によって引き起こされている世界的な疲労危機を明らかにした。
ネルソン氏は次のように述べた。
「この勝利は、集団的行動が何を成し遂げられるか、そして強い組合が労働者、乗客、さらには航空会社自身の安全実績を守るために不可欠である理由を示しています。世界中の航空会社や規制当局は、このことに注意を払うべきです。」
緊急対応および旅客の安全において中心的な役割を担っているにもかかわらず、日本では客室乗務員はいまだ公式には「サービス要員」と分類されており、安全専門職とは位置づけられていない。
ネルソン氏は次のように締めくくった。
「本件は、客室乗務員を彼らが本来そうである安全上重要な専門職として、適切に、そして緊急に認めるために必要なあらゆる論拠と認識を提供しています。」
【JCAコメント】
今回のITFによる公式発表は、本件が単なる労働条件の問題ではなく、航空安全そのものに関わる課題であることを国際的に示すものです。
JCAは、日本においても客室乗務員が「サービス要員」ではなく、法制度上も明確に保安要員として位置づけられること、そして国内線の多頻度運航という実態に即し、疲労が実質的に管理できる実効性ある疲労管理基準が整備されることを望みます。
その実現には、安全を最優先に共有する土台のもと、労使が相互の信頼を回復し、真摯な対話を重ねていくことが不可欠です。
現在進められている和解協議を、将来に向けた信頼再構築の第一歩と位置づけ、より健全な労使関係と持続可能な安全文化の確立につながることを期待しています。
また、航空は本質的に国際産業であり、安全基準や労働環境の向上も国境を越えて共有されるべき課題です。JCAは今後も国際的な連携と対話を大切にしながら、建設的な取り組みを続けてまいります。
安全と尊厳が両立する航空業界の実現に向け、引き続き前向きに歩んでまいります。

