このような栄誉ある賞をいただき、心より感謝申し上げます。

ジェットスタージャパンは、2012年のLCC元年に就航しました。格安航空の安全に対する不安を払拭するため、私たち客室乗務員を含め現場の社員は、高い安全意識とチームワークで安全運航に向き合ってきました。

事業は順調に拡大する一方で、効率化やコスト削減が進み、休憩も食事も取れない勤務が続くなか、疲労や健康被害が深刻化し、労働条件の不利益変更も相次ぎました。2018年、キャビンクルー有志によりジェットスタークルーアソシエーションが結成されました。

4人のキャビンクルーが呼びかけその輪はどんどん広がりました。会社と交渉を重ねても、改善されずやむなく賃金、休憩、そして懲戒に関する3つの訴訟に踏み切りました。

法律の知識もなく、当初は「原告と被告、どっちがどっち?」というレベルの不安だらけのスタートでしたが、山口先生、竹村先生、そして多くの仲間に支えられ、すべての裁判で私たちの主張が支持されました。

しかし一方で、不当労働行為にも直面し、当たり前の権利を得ることが、こんなにも難しい社会なのか。働く人が声を上げても、その声が届かない現実を痛感しました。

そのようななかでも、休憩裁判の一審判決は、客室乗務員の働き方に救済の手を差し伸べた画期的な判断でした。司法が労働現場の現実に光を当て、すべての働く人に希望を与えるものでした。

この裁判は、単に休憩の有無ではなく、心身の健康と命、そして航空や旅客の安全に関わる問題です。

私たちキャビンクルーも、一人の人間として尊重される存在です。

勤務中にご飯を食べる、座って休む一それはぜいたくな要求でしょうか?

契約どおりの賃金を求めることは、わがままでしょうか?

会社のコンプライアンスやガバナンスの問題を指摘することが、社員としてあるまじき行為なのでしょうか。

また疲労は個人だけの責任でしょうか?

私たちの職場はそのような「問い」と向き合っています。

それでも勇気を出し、原告として立ち上がったクルーたちがいます。私たちは彼らを、誇りを込めで“アベンジャーズ”と呼んでいます。また労働弁護士のみなさまも法曹界のアベンジャーズです。

私たちの活動や裁判は航空三団体をはじめ、多くの方々に支えられています。だからこそこの賞はこれまで航空の職場をより良くしたいと願い、声を上げてきた全ての方たちに贈られたものでもあります。

私たちはこれからも安全で快適なサービスを提供する使命を担っています。目に見えない「安全」を担保していくには職場に公正な文化を取り戻し、誇りを持って働ける職場を守りながら、労使で航空の安全を未来につないでいく取り組みが大切です。

控訴審でも健全で持続可能な働き方を実現できるよう、先生方とともに取り組んで参ります。

そして最後に、JCAの活動と、それを支えてくれている“アベンジャーズ”を、短いメッセージビデオで紹介し、挨拶とさせていただきます。本日は、ありがとうございました。