2024年12月2日
東京地方裁判所より判決が下されました。

2024年12月2日
東京地方裁判所より判決が下されました。

ジェットスタークルーアソシエーション(JCA)の執行委員長および副執行委員長が受けた懲戒処分に関し、裁判所は処分を無効と判断し、出勤停止期間中の賃金の支払いと、執行委員長に対して精神的苦痛への慰謝料50万円を命じました。

この判決は、労働組合活動への不当な干渉を否定し、懲戒処分の妥当性を厳しく問うものとして意義深い内容となっています。

裁判当日の様子

当日は、傍聴希望者が多数詰めかけたため、30名ほどが傍聴席に入れない状況となりました。このことは、ジェットスターだけでなく、航空業界全体が本件に強い関心を寄せていることを示しており、労働組合への圧力や意見を封じる企業風土が航空安全に直結するという認識が業界内で広く共有されていると改めて感じました。傍聴やご支援をいただいた皆さまに心より感謝申し上げます。

裁判当日の様子

判決の意義

判決の意義

今回の郡司英明裁判官(東京地裁民事11部)による判決では、会社が執行委員長に対し「慎重な調査を行わず、執行委員長個人の関与を漫然と認定したこと」が不法行為とされ、精神的苦痛に対する慰謝料50万円の支払いが命じられました。この判断は、労働者の権利と企業の責任を厳正に捉えたものであり、航空業界においても重要な意味を持つ内容です。

今後の展望

現在、キャビンクルーの賃金改悪や休憩に関する裁判も係争中です。JCAは引き続き、公正で安全な職場環境の実現を目指し、取り組んでまいります。また、不当労働行為に関する判断は千葉労働委員会で進められており、その命令は2025年2月に出される予定です。この判決と命令を契機に、より良い労使関係と航空業界の健全なガバナンスが実現することを期待しています。

今後の展望

JCAのメッセージ

私たちは、組合活動と日々の業務をきちんと線引きし、キャビンクルーとして誠心誠意仕事に取り組むことを大切にしています。しかし、日々の航空の安全、コンプライアンス、そして健全な職場環境が損なわれる可能性を感じたときには、会社や仲間を守るために声を上げるべきだと考えています。それは決して対立を目的とするものではなく、ジェットスターの安全と未来を守り、お客様に最高のサービスと安心を提供するための責任だと捉えています。

また、裁判は勝ち負けを競う場ではなく、公正な判断を求めるための場です。今回の判決を機に、会社には真摯にその結果を受け止めていただき、労使関係の改善に向けた建設的な対話を進めていただきたいと願っています。

今回の判決を励みに、JCAは「当たり前の権利を当たり前に実現すること」を目指しながら、会社や利用者、そして組合員の皆さまのことをしっかりと考え、謙虚かつ実直に活動してまいります。これからも、誰もが安心して働ける職場環境の実現を目指し、会社や仲間、そして業界全体の未来を見据えながら進んでまいります。

2024年12月2日
ジェットスタークルーアソシエーション

報道関連リンク

しんぶん赤旗「労組委員長ら 懲戒無効 東京地裁判決 ジェットスター処分に」

https://www.jcp.or.jp/akahata/aik24/2024-12-03/2024120301_05_0.html

東京新聞「ジェットスター、「賃金支払いミス」問い合わせたら出勤停止処分… 組合役員への懲戒「無効」と判決」

https://www.tokyo-np.co.jp/article/371089

毎日新聞「「懲戒権の乱用」 ジェットスター労組幹部処分、無効判決 東京地裁」

https://mainichi.jp/articles/20241202/k00/00m/040/212000c

時事ドットコム-時事通信社「CA2人の懲戒処分無効 ジェットスターが敗訴―東京地裁」

https://www.jiji.com/jc/article?k=2024120200981&g=soc

弁護士ドットコム ニュース「ジェットスター労組メンバーへの懲戒処分は「無効」、賃金支払い命じる 東京地裁」

https://www.bengo4.com/c_5/n_18192

企業法務ナビ「ジェットスターによる労働組合幹部らへの懲戒処分は無効 ー東京地裁」

https://www.corporate-legal.jp/news/5941